【書評】「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く

【書評】「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く


学びが繋がっていく感覚

まだまだ著名な方が言われているまでのインプットのピースごとがきれいに繋がっていくという感覚までには至っていませんが、ブログを通してアウトプットすることとテーマが比較的近くて被りの少ない書籍を読むことで、今までのインプットが有機的に繋がっていく感覚を得られてきました。

次のレベルに達するためにも繋がりあったピースから自分なりのアウトプットを出していきたいと思います。とはいえ、世の中のアイデアは組み合わせなので、オリジナルを出さないといけないなどとは考えず、肩肘張らずに気楽に続けていきたいと考えています。

マーケティングとは何なのかが今までで1番腹落ちした1冊

過去にもマーケティングに関する書籍はたくさん読んできましたし、良書に出会う度に人にすすめたり、業務でアウトプットしてきましたが、どうも上澄みをすくっているような漠然とした気持ち悪さを持っていました。

本書は、この漠然とした気持ち悪さの理由を教えてくれました。本書は「買う」という行動にフォーカスし、プロセスを分解しながら、なぜ人は「買いたい!」と思うのかについて事例を交えながら解説しています。

しかし、著者も書いていますが、重要な点は事例ではなく、それまでの解説にあります。前述の気持ち悪さは、事例=テクニックのインプットに頼り、アナロジーによる工夫で乗り切るという付け焼き刃としての不安から来るもの、ということに気付かされました。

本書は第4章に事例紹介がありますが、第1章~第3章が本書の最も大切な部分です。「買いたい」を分析することにより、全ての購買行動に応用可能なロジックを学ぶことができます。

「買う」という行動の要素分解と打ち手

「買う」という「行動」を起こすためには2つのハードルがあります。1つ目は「買いたい」か「買いたくない」かというハードルです。2つ目は「買える」か「買えない」かのハードルです。

モノに困ることのなくなった現代では、高度成長期のモノを求めていた時代と比べて1つ目のハードルが高くなっており、これがマーケティングが難しくなっている理由です。しかし、1つ目のハードルを越えることができれば、人は仮に「買えない」状態であったとしても、工夫して「買える」状態にしようとします。特に1つ目のハードルの越え方が大きいほど顕著に現れます。

1つ目のハードルを越える要素は「動機」です。この動機は「ドーパミン」が大きく関係します。ドーパミンを増やす鍵は「新しさ」にあります。

これら一連の流れを作り出すポイントがわかりやすく書かれている箇所を抜粋紹介します。

脳はモノやサービスを欲しているわけではない。モノやサービスを得た先にあるものを欲している

現代の消費者が求めてやまないもの、それは「未来の私」なのである。

これこそ自分のbeingにつながる何かだ──そう感じる瞬間が人にはある。意識的にそう思うというより、ある情動が突き上げてくるのだ。この情動を「フルフィルメント(fulfillment)」と言う。

自分のbeingが分かる、自分のbeingに気づく・感じ取るメカニズムとしてドーパミン・システムがあり、これによって人はフルフィルメントを感じる

人の消費行動は感性によって引き起こされる

消費者を動づけるために、新しいことを提供することがポイントとなります。新しいことは「未来の私」=「なりたい自分(being)」です。

そのため、売り手は消費者の未来を描き、自社の商品をシンクロさせる必要があります。消費者自身も描いていない未来を提示し、「今」と「未来」をチューニングしてあげることが重要です。このことを本書では下記のように説明しています。

「行動モデル作り」とは、現在お客さんがしている行動を観察して、それをモデル化するということではない。あくまでも、売り手が、お客さんにして欲しい購買行動を想像するのだ。

お客さんにまかせておくと、してくれない可能性の高い行動──この行動に対しては、こちらが意識的に、計画的に働きかけて、動機づけを行わなければならないのである。

「行動モデル」を作るためには消費者の感性「消費感性」を理解する

「未来」を提示する上で、消費者の「今」と大きく離れているとチューニングの難易度はとても高くなります。消費者の「今」を本書では、「その消費のよさを知っている脳」=「消費感性」と表現しています。

また、下記のようにも書かれており、「消費感性」と大きく離れた「センスのよさ(離れている時点で表現が適切ではないかもしれませんが)」は、早すぎた、時代に合わなかったと言われているモノと言えます。バランスがとても大切です。

「センスのよさ」とは、それを持たない商品と比較した場合に、一方が啓発性を持ち他を駆逐していく力のことである。

感性を磨くトレーニング方法

感性を身に付けてヒット商品を産み出すことは一朝一夕にはできません。最後にいくつかトレーニング方法が紹介されています。その中でも印象に残る2つを紹介します。

直観回路を作り磨くためのトレーニングは、「情報をインプットすること」と「最善の一手をアウトプットすること」を繰り返すことであろう。

自分が体験したこととそこからの気づきを、誰かに説明するように記録しておくといい。これは「外化」といって、直観回路のトレーニングに大いに役立つ。

脳科学から購買行動を読み解く良書です。おすすめです。

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