【書評】逆境経営 山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法

【書評】逆境経営 山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法

獺祭の魅力に虜にされる

いつからだったのかを思い出せませんが、おそらく2年ほど前から獺祭のファンになり、お店にあれば頼むようになっていました。

学校の先輩に連れて行ってもらった魚金では、ボリュームたっぷりの刺身ととても合う獺祭にテンションが上がり、たじろぐ先輩をものともせずおかわりしました。

その後も前職の同僚の方達と魚金で飲んだ時には、お試しとして非常に安く提供してもらえる機会に恵まれ、私以外はほぼ初めての獺祭の味にテンションが上がり、1升瓶を3本は空けました。それ以来、みんな好きなお酒になっています。

そんな一度、口にした人を魅了する獺祭についてもっと知りたいと手に取った1冊です。ちょうど発売のタイミングに「カンブリア宮殿」にも桜井社長が出ましたので、本書を知った方も多いと思います。

桜井社長を通してますます獺祭を好きになれる1冊

本書は桜井社長が旭酒造を継いでから、現在、そして将来について書かれています。父親の急逝で急遽、跡を継ぐことになった桜井社長ですが、当時はすでに日本酒市場は全盛期の3分の1にまで縮小し、経営状況も非常に苦しいものでした。スタートから逆境です。

数々の逆境とそれに対する桜井社長のチャレンジ、そして成功といったエピソードは1つ1つがドラマチックです。社長以外の社員の方や奥様も登場されると、より一層臨場感が出たと思いますが、本書の一番の魅力は書き手が桜井社長だからこそ人柄や考えが十二分に伝わってくることにあると思います。

ピンチをチャンスに変える胆力や機転の良さ、文章のところどころに出てくるお茶目なコメント、日本酒メーカーとしての誇りや業界の分析、獺祭のビジョンなど、学べる点が数多くあります。

桜井社長の魅力を通して、さらに獺祭のファンになること間違いなしです。

日本酒という優れた文化を世界に

本書では日本酒の製造工程や吟醸、大吟醸などの日本酒にまつわることも詳しく書かれています。

前述の方たちとあるお店で獺祭を頼もうとして、なぜ二割三分の方が三割九分より高いのかわからず、数字の大きい方が良いんじゃないの?と話していました。

本書で違いを理解した今では、ド素人過ぎてとても恥ずかしいのですが、玄人好みではない私のような人間がファンになる、桜井社長の言葉では、「普通の人が普通の値段で買って飲んで美味しいと思えるお酒」が獺祭の他にはない強い魅力なのだと思えます。

今、旭酒造は食の本場パリで勝負しようとしています。ワインと比べると圧倒的に少ない輸出量を増やしていくため戦い始められています。それも、地域に合わせて味や提供方法を変えずに日本と同じそのままの獺祭で勝負することを決められています。

グローバルで戦うには、地域に合わせるマーケティングが必要な商品、サービスがある一方で文化の要素の強いものはそのままで勝負すべきであるという桜井社長の強い決意が見られます。

獺祭をより知るためにも、経営を学ぶためにもオススメの1冊です。

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