タダより高いものはない?がわかる – 『ゼロ円ビジネスの罠』

タダより高いものはない?がわかる – 『ゼロ円ビジネスの罠』

ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書) ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書)
門倉 貴史

光文社 2010-09-17
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おすすめ平均

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★★★★★★★★☆☆


結局、3日坊主ならぬ1日坊主で更新が滞ってしまう私です。本日は気を取り直して久しぶりの更新です。仕事も少しは落ち着いてきたので平日の更新もボチボチとやっていきたいと考えています。

著者紹介

門倉 貴史(かどくらたかし)
一九七一年神奈川県生まれ。エコノミスト。慶應義塾大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンクの研究員となり、日本経済研究センター、東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向。二〇〇二年に生保系シンクタンクに移籍し、経済調査部主任エコノミストとしてアジアやBRICs諸国についての論文を数多く発表。〇六年にBRICs経済研究所代表に就任。同志社大学大学院非常勤講師。〇九年五月、台湾の国際フォーラムでノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマンと講演。『統計数字を疑う』『ホワイトカラーは給料ドロボーか?』『官製不況』(以上、光文社新書)、『人妻の経済学』(プレジデント社)、『中国経済の正体』(講談社現代新書)など著書多数。

本書はタイトルで興味を惹かれて手に取ったのですが、著者が「ホンマでっか!?TV」に出演している門倉貴史さんだということで門倉さんの著書は始めてでしたが、読んでみることにしました。

失礼を承知で本書を読んだ感想を述べると、TVのコメントのグダグダさからは想像できないほど、最近のWebでの流行りに関して綺麗にまとめられた一冊を書かれていると思いました。

本書のタイトルになっている「ゼロ円ビジネス」は書籍「フリー」で紹介されている「フリーミアム」をはじめとする無料から収益を生み出すビジネスモデルのことを指しています。

「フリー」が流行り、私も読み非常に刺激を受けたのですが、本書の良い点は「フリー」の良い点だけではなく悪い点についても触れられていること、今後の「フリー=ゼロ円ビジネス」について独自の視点で書かれていることです。

こういった方にオススメ!

→「無料・タダ」に弱くてついつい飛びついてしまう方。「フリーミアム」って流行っているけど何?と思っている方。

本書の中で面白かった箇所をいくつか紹介します。

【不景気の影響をあまり受けなかった「ぐるなび」】

フリーペーパーなどのユーザーからお金を取らないビジネスモデルの収益は掲載企業からの広告掲載料ですが、広宣費自体が景気(=GDP)と強い相関を持っているため、不景気になると厳しくなります。

しかし、「ぐるなび」は不景気の影響を受けずに、増益増収を続けています。その理由は、広告依存型モデルであるものの企業から取得する名目が「広告掲載料」ではなく「会員費」であることが大きいと解釈されています。

最近、会社で新規事業コンテストがあったのですが、ビジネスモデルについて考える際にどのような名目であれば収益を上げやすい(=お金を払ってもらいやすい)のかにフォーカスして考えました。ちょっとした違いかもしれませんが、顧客が何に対してお金を
払っていると認識しているのかは非常に重要かもしれません。

【ニュージーランドの面白いゼロ円ビジネス】

ニュージーランドの「トランスファー・カー」という会社では、無料のレンタカービジネスを提供しています。

提供可能にしている背景に、レンタカーの乗り捨てサービスによるコストがあります。レンタカー会社はあちこちで乗り捨てられたレンタカーを営業所に戻す際に人件費や交通費などのコストを負担していますが、これをユーザーに無料で行ってもらうことでコスト削減を実現しています。

コスト<収益機会損失(営業所まで戻ってくるリードタイム)となってしまっては本末転倒なので、多くのユーザーを囲い込み短いリードタイムで営業所へ戻せる情報インフラを提供しないと成立しないビジネスモデルですが、非常に面白いと感じました。

推測になりますが、日本は国土が狭く、レンタカーの利用も日帰りが多そうなので乗り捨てをする割合は少なく、成立しにくいかもしれませんが、ある程度の割合が見込めるのであれば、近年のマイカー所有者減少もあるのでやってみると面白いと思います。

【チェコにあるゼロ円売春宿】

海外では想像もつかないビジネスがあると思い知らされる事例です。本書でも書かれていますが、単純にセックスをしたい女性が集まっているから無料という理由では収益を上げることはできず、ビジネスとして成立しません。

本ビジネスは、ゼロ円にする代わりにセックスの様子をインターネットで配信して、見たいユーザーから会員費を取るモデルだそうです。

需要(見たい)と供給(見られたい)のバランスも取れていて、ビジネスとして成立しているということなので、本当にアイデア次第で予想もできないビジネスができるんだなと感じました。

その他、流行りの携帯SNSの弊害・問題点や無料商法の被害状況など「ゼロ円ビジネス」の影の部分について統計データを用いて紹介されています。ただ流行っているから良さそうだよね、で終わらせてしまうのではなく、どういったデメリットがあるのかそれを踏まえてどのようなビジネスを展開できるのかを考えることが重要だと思います。

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