苦渋の洗濯?!―クリーニング店社長のクレーム始末記

エッセイ

苦渋の洗濯?!―クリーニング店社長のクレーム始末記


苦渋の洗濯?!―クリーニング店社長のクレーム始末記 苦渋の洗濯?!―クリーニング店社長のクレーム始末記

鈴木 和幸

アートン 2005-08
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★★★★★★☆☆☆☆


久しぶりの更新です。北海道に旅行に行っていました。毎日更新するのを目標にしていながら、最近は滞っていてちょっと悔しいです><

著者の鈴木和幸さんは、福島県下に五つの工場を持つクリーニング会社の三代目社長です。本書では、普段注目されることの少ないクリーニング屋さんの苦労=クレーム処理について触れながら、クリーニング業界について知ることができる内容となっています。

クリーニングでは苦情が昔から非常に多く、高校の教科書にも記載されるほど有名なようです。しかし、この事実は当たり前ですが喜ばしいことではなく、クリーニング会社を困らせることになっています。なぜクリーニングで苦情(=クレーム)が多いのか?ということから書かれているのですが、そこには多くの要因があることを知れます。

興味深かったのは二点。一つ目は、日本人のブランド志向による、クリーニングの問題発生です。そして、二つ目はクリーニング業界自体の構造的欠陥、あるいは問題です。

一つ目は、日本人ならよくわかることだと思いますが、日本人はブランドを持ちすぎています。女子高生がヴィトンやプラダなどのブランド商品を持つ国は日本ぐらいだそうです。また、最近は田舎の制服も有名デザイナーがデザインしたものが増えてきているそうです。両者に共通することは、「ファッション性を重視した衣類は耐久性が反比例して低くなる」ということです。

特にブランド製品の場合だと、購入価格も非常に高いためにお客様の思い入れも非常に強い。それでいて、取り扱いは非常に難しい繊細な衣料であるケースの方が多い、といことで、問題が発生しやすいそうです。また、海外のクリーニングの方が日本よりも優れている、といった噂や報道は必ずしも正しいわけではなく、そもそも海外では一般のクリーニング屋さんにブランド品が持ち込まれるケースが非常に少ないため、普段から高級品を取り扱っている日本のクリーニング屋さんの方が技術は上か同等は少なくともあるそうです。

二つ目のクリーニング業界の構造的欠陥についてです。詳しい内容については本書やインターネットでクリーニング業界の歴史を調べてくださればよくわかると思いますが、簡潔に説明すると大手参入企業を老舗のクリーニング屋さんが受け入れなかったために、業界全体がまとまらなくなってしまったということです。大手参入企業はどの業界でも言えることかもしれませんが、市場やビジネスを「金儲け」のためのものとしてしか見ないケースが非常に多いわけです。ノウハウを売り出してフランチャイズとして展開していくと、あっという間に日本全国に広がっていく。そのため、数はすくなくてもシェアは半分以上を占めてしまうわけです。

問題となるのは、クリーニング自体が小口顧客を大量に扱うことで売上げを確保するビジネスだということです。厄介なクレームだと、お金を払ってすぐに解決してしまう方が効率的となり、一人一人の顧客に丁寧なサービスをすることが無くなってきます。根本から苦情の原因を解決しないために、苦情の件数が非常に多いという結果にもつながっていると著者は指摘しています。

今回は感想も書評も中途半端な内容になってしまいましたが、読んで損はないというか、面白い一冊だったということは確かです。自分の知らない業界やビジネスについて簡単に触れられている書物は知識を増やすには適していると思います。

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Comment

  1. しもくわ より:

    1 ■こんにちは
    トラックバック&コメントありがとうございます。こちらからもトラックバックさせていただきました。
    衣類を買う前には一応素材も確認するんですけど、いざ洗濯となるとついつい何も考えずクリーニングまかせになるんですよね。
    こんなお客の態度もクリーニングのトラブルの一因なんでしょうね。
    http://ameblo.jp/cm116050441/

  2. きっちん より:

    2 ■しもくわさん
    お客となる側に知識がないというのも問題なんでしょうね。
    そういった知識をどうにか一般に広げられると良いのですが。

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